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2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に端を発する東日本大震災は、日本に、とりわけ東北地方に未曾有の被害をもたらしました。あの日の壊滅的な光景は徐々に回復・変化しつつありますが、人々はいまなお恐れや不安を抱きつづけており、まだまだ「被災の只中」にあるというのが実情です。
被災地にある東北大学には、この震災からの復興と再生の一助として、これまで積み重ねてきた「知」を被災地のために発信していく責務があります。東北大学出版会はこのたび、東北大学に所属する研究者をはじめとした幅広い分野からの「知」を集め、叢書「今を生きる ――東日本大震災から明日へ! 復興と再生への提言――」を刊行し、発信いたします。ご一読いただければ幸いに存じます。
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【各巻編者・内容紹介】
- 「1 人間として」
- 座小田 豊(文学研究科教授)・尾崎 彰宏(文学研究科教授) 編
- 東北大学大学院文学研究科に所属する、哲学・文学・宗教学・思想史・心理学などの研究者の論稿を掲載。テーマは死生観や、悲しみとの向き合い方など。
- 「2 教育と文化」
- 水原 克敏(早稲田大学特任教授/東北大学名誉教授)・関内 隆(高等教育開発推進センター教授) 編
- 東北大学大学院教育学研究科に所属する研究者、および津波被災地の学校関係者(小中高校長、教育委員会)、OECD関係者、文化財修復計画の従事者の論稿を掲載。
テーマは災害時の学校対応、教育現場での有事マニュアル、これからの防災教育など。 - 「3 法と経済」
- 稲葉 馨(法学研究科教授)・高田 敏文(経済学研究科教授) 編
- 東北大学大学院法学研究科・経済学研究科に所属する研究者の論稿を掲載。
テーマは防災法制(災害対策基本法)や震災がもたらした諸問題の政治学的整理など。 - 「4 医療と福祉」
- 久道 茂(財団法人宮城県対がん協会会長/東北大学名誉教授)・鴨池 治(東北福祉大学教授/東北大学名誉教授) 編
- 東北大学大学院医学系研究科と東北福祉大学に所属する研究者、および宮城県の医療関係者(県医師会、県歯科医師会、県看護協会、石巻市の病院長・医師)、福祉関係者(社協)の論稿を掲載。
テーマは災害時の医療体制、看護・ケアの対応、地域医療の立て直しなど。 - 「5 自然と科学」
- 吉野 博(東北大学客員教授/東北大学名誉教授)・日野 正輝(理学研究科教授) 編
- 東北大学大学院理学研究科・工学研究科・農学研究科に所属する研究者の論稿を掲載。
テーマは地震・津波のメカニズム、地震動の特徴、震災後のエネルギー問題、津波被災地のまちづくり、津波堆積物の環境リスク、建築物の耐震設計基準、被災農地の再生プロジェクト、原発警戒区域内の家畜処遇、海洋の放射能汚染、放射性物質の大気による拡散など。