書籍情報
『A Wake Integration Method for Airplane Drag Prediction』
楠瀬一洋 著 圓山重直・佐宗章弘 編
定価(本体2,500円+税) B5判、144頁 全英文
ISBN978-4-86163-015-6 C3353
(2005年6月刊行)
21世紀COE「流動ダイナミクス国際研究教育拠点」レクチャーシリーズ 第3巻
《目 次》
1. Introduction
2. Near-field and Far-field Body Force Expressions
3. Lift and Drag Equation
4. Expansion of Lift and Drag Equations
5. Profile and Enthalpy Drag
6. Wave Drag Extraction from Profile Drag
7. Wave Drag Extraction:Oswatitschs Expression
8. Maskells Induced Drag
9. Trim Drag
10. Injected Mass Drag
11. Drag Correction Terms
12. Results and Discussion
13. Conclusions
航空機設計に於いて正確な空力(揚力及び抵抗力)計算は最も重要な出発点である。航空機設計の成功はどれだけ抵抗を減らすかにかかっていると言っても過言ではない。航空機の抵抗は、形状抵抗(profile drag)及び造波抵抗(wave drag)、誘導抵抗(induced drag)に分類される。形状抵抗と造波抵抗は機体の形状に決定されるので、洗練された機体を設計することによって大幅に削減され得る。しかし誘導抵抗は、航空機の揚力発生に起因しているため、その削減には自ずから限度がある。そのため航空機設計者は、抵抗削減にあたり、各種抵抗の内訳、とくに誘導抵抗の占める割合を正確に知る必要がある。これに対し、ここに紹介するWake Integration Methodは、物体後流を用いた空力解析法(far-field drag expression)で、航空設計者の必要とする抵抗内訳を正確に計算することを可能にし、その点に大きな意義がある。