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『無住道暁の思想史的研究』

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『無住道暁の思想史的研究』
陳 頴傑 著
定価(本体3,300円+税) ISBN978-4-86163-411-6 C3015
A5判 176頁
(2025年10月刊行)
鎌倉後期の僧である無住道暁は、あらゆる教学と実践を称揚する折衷主義者という印象もあり、強い個性を備えた鎌倉仏教の開祖たちと比べるとオリジナリティが欠如した人物であるとされる。本書は、そんな無住道暁を仏教思想家として位置づけ、その思想を体系的に把握することを試みる。『沙石集』『聖財集』『雑談集』の読解を通してこれまでの評価を一度解体し、新たな「仏教思想家としての無住像」を浮き彫りにすることを目指す。
〈目 次〉
序 章
第一章 『沙石集』における三学観の展開とその思想的意義
ー多彩な「方便」の視点からー
第二章 『沙石集』の救済論
ー神明の機能と「慈悲」「智恵」ー
第三章 中道思想からみた『聖財集』
ー無住の大乗菩薩観をめぐってー
第四章 中世日本における永明延寿「一体両翼」思想の受容と変容
ー『雑談集』を例としてー
第五章 「一心」から読み解く無住の思想構造
ー宗教思想史における位置づけの試みー
終 章
