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〈善〉のイデアと非命題的なものープラトン『国家』篇研究ー
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『〈善〉のイデアと非命題的なものープラトン『国家』篇研究ー』
川島 彬 著

定価(本体4,500円+税) A5判 230頁 
ISBN978-4-86163-397-3 C3011
第20回 東北大学出版会若手研究者出版助成刊行図書
(2024年10月刊行)

プラトンの主著である『国家』では、ひとが哲学によって到達すべき究極目標として、イデアの、特に〈善〉のイデアの知が掲げられる。では、イデアを知るとは一体いかなることか?他方で、イデアの知と対比される、われわれの日常的な認識のあり方(「思いなし」)とはどのようなものか?本書は、『国家』の中心巻(第五~七巻)や関連する諸箇所の読解を通して、従来大きな論争の的となってきたこれらの問いに答えを与える。これによって、プラトン哲学の根底に流れる精神をくみ取ることを目指す。

《目 次》
 
序 論
第一章  第五巻476d7-480a13の「知識」と「思いなし」
第二章  第五巻の見物好きのものは説得されたか
第三章  第三巻414b7-415d4の「高貴な嘘」における「説得」
第四章  第六巻505e1-2における〈善〉の描写―「すべての魂が追い求め、そのためになんでも行う」
補論  第四巻の魂の三部分説と第九巻の魂の三部分説はいかなる関係にあるか
第五章  第六・七巻における「〈善〉のイデア」と「仮設されたのでない原理」
第六章  第六巻「線分の比喩」509d1-511e5における「ディアノイア」の対象
第七章  第七巻「洞窟の比喩」514a1-516b6における洞窟の囚人の二段階
結 論