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磯焼けと気候変動-変りゆく沿岸岩礁生態系
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『磯焼けと気候変動-変りゆく沿岸岩礁生態系』
吾妻行雄 著

定価(本体3,800円+税) A5判 260頁
ISBN978-4-86163-391-1 C3045
(2023年12月刊行)

磯を際立てるコンブの森は、地球上で最も生産力が高く、人類に恩恵を与えてきた生態系の一つです。しかし、過去40年間に世界中で大きく縮小しました。

本書は、コンブの森が消失する意外な仕組を、世界の長期にわたる研究成果から説明します。そして、現在、世界の海で人間活動によって放出された温室効果ガスに起因する高水温化と酸性化、海洋熱波と温帯域の熱帯化が急速に進んでいることを紹介します。このような気候変動がコンブの森とそれに関わる生物に及ぼす脅威を最新の研究からひも解いて、実効性が期待される適応策と緩和策を論じます。

〈目 次〉

第1章 海中林が生態系を支える
 ~大きな生態系サービスによる人類への恩恵~
第2章 アリューシャン列島
 ~シャチが磯焼けを引き起こした仕組み~
第3章 アメリカ大西洋メーン州
 ~時を超えて生態系を衰退させたタラの乱獲~
第4章 カナダ大西洋ノヴァスコシア沿岸
 ~ウニの激しい個体数変化が海中林に及ぼした影響~
第5章 アメリカ太平洋南カリフォルニア沿岸
 ~生態系を支えるジャイアントケルプ海中林の頑強性~
第6章 日本沿岸
 ~海中林に及ぼすボトムアップとトップダウン効果~
第7章 気候変動に伴う沿岸岩礁生態系の変化
 ~温暖化、熱帯化、海洋熱波、酸性化が起こす脅威とは~
第8章 気候変動への対応策
 ~耐え忍ぶ適応策と炭素を隔離する緩和策の科学~