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『地域が創る「あさか舞」 福島県郡山ブランド米の産地像』
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『地域が創る「あさか舞」 福島県郡山ブランド米の産地像』
滝波章弘 著
定価(本体7,200円+税) A5判 304頁
ISBN978-4-86163-381-2 C3061
(2023年2月刊行)
福島県郡山地域は、日本有数の稲作地として、良質の米を生産し、業界では高く評価されてきた。しかし、業務用米の産地とみなされることが多く、全国的な知名度は不充分だった。そこで、市や農協が中心となって、地域ブランド米「あさか舞」を打ち出し、また東日本大震災の風評被害に打ち勝つため、高級ブランド米「ASAKAMAI 887」を開発してきた。農家、加工業者、製造業者、農産物直売所、農協、市役所など、産地の諸主体が郡山米の地域ブランド化にどう関わっているか、その意欲や工夫、葛藤や困難を捉える。
《目 次》
序章 地域ブランド米と産地の問題
Ⅰ 場、地名、風土性
Ⅱ 食と農についての基本事項
第一章 郡山米から「あさか舞」へ
Ⅰ 安積平野での米作りの背景
Ⅱ 「あさか舞」の誕生と展開
Ⅲ 「あさか舞」販売量の推移
Ⅳ 立場で異なる認識と認知度
第二章 「あさか舞」の生産・流通・販売
Ⅰ あさか米穀の先駆性
Ⅱ 原郡山市長のトップセールス
Ⅲ 農産物直売所ベレッシュの信念
Ⅳ 田中製粉の米粉と地域貢献
Ⅴ 佐久間農園の大規模稲作
第三章 農協がブランド化する「あさか舞」
Ⅰ 作付・流通・販売での戦略
Ⅱ カントリーエレベーターの役割変更
Ⅲ 農協広報誌に見る「あさか舞」
Ⅳ PB商品への「あさか舞」の利用
第四章 「あさか舞」を使った地産品
Ⅰ 米加工品・米粉加工品
Ⅱ フルラージュの米粉と職人感覚
Ⅲ 中郷園がこだわる「硬い」お茶
Ⅳ 渡辺酒造の地酒と防災意識
第五章 農村女性の6次化と農産加工
Ⅰ 農村女性による起業
Ⅱ 花かつみ農産加工の自信
Ⅲ ママリン食彩工房の自負
第六章 「ASAKAMAI 887」生産に挑む
Ⅰ 郡山に登場したプレミアム米
Ⅱ 徹底したイメージ戦略
Ⅲ 稲の栽培歴と農業技術指導
Ⅳ 特栽農家、遠藤さんの技と勘
Ⅴ 西部農業倉庫の位置づけ
Ⅵ 「887」と「あさか舞」
終章 郡山産米の意義、課題、展望
Ⅰ ブランド化の実情と方策提言
Ⅱ 郡山産米の「空間の生産論」
あとがき