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現象学入門―歴史的観点から
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『現象学入門―歴史的観点から』
セッポ・サジャマ、マッティ・カンピネン 著、木下喬 訳

定価(本体2,500円+税) A5判、194頁、並製
ISBN978-4-86163-337-9 C3010

(2020年9月刊行)

本書はフッサールの現象学の基本概念である指向性に焦点を当てた入門書である。その特徴は何よりも、この概念の歴史的背景を、アリストテレスに遡り、中世哲学を経てイギリス経験論の哲学などを渉猟して幅広く解明している点にある。また、十九世紀末からのブレンターノ、フレーゲとフッサールの考えが、「内容理論」と「対象理論」の対比を軸にわかりやすく述べられる。さらに、第二部において、ノエマ、射映、地平を中心としたフッサールの考えが、「内容理論」との関連で、豊富な例とともにわかりやすく説明されており、こうした点でも現象学への格好の「歴史的」入門書たりえていると言えるだろう。

《目 次》
第1部 内容理論の歴史
 第1章 序論
 第2章 アリストテレスからオッカムまでの指向性
 第3章 経験論とその批判者
 第4章 ブレンターノと指向性の復活
 第5章 トワルドフスキーの対象理論
 第6章 マイノングの対象理論
 第7章 内容理論:フレーゲとフッサール
 第8章 要約と結論
 
第2部 いくつかの特別な論題
 第9章 知覚の指向性
 第10章 射映と地平
 第11章 De Re 作用の問題
 第12章 情動の指向性