書籍情報

在庫状況：在庫あり

数量 冊

がんの薬物療法は抗がん剤が主力であったが、近年、ターゲットを絞った分子標的薬が数多く臨床に導入されている。しかし、白血病などを除き、固形がんでは十分な成果が得られていない。本書の第1部で、腫瘍血管を含む固形がんの構造と機能自体に、治療を阻む様々な要因が存在することが明らかにされる。そこに、がん細胞を攻撃する薬の開発という視点だけでは治癒には至らない理由がある。第2部で述べる腫瘍血流遮断による治療は、それらの阻害要因の制約を受けない。本書で、綿密な実験に裏打ちされた腫瘍血流遮断（兵糧攻め）の治療戦略としての価値と可能性を探る。

 

《目　次》

第Ⅰ部　ドラッグデリバリー

第1章　がんのモデル

第2章　がんに薬を運ぶ

第3章　がんのライフライン―腫瘍血管ネットワーク

第4章　がんの病態生理

第5章　薬の動きの可視化

第6章　がんに薬を留める

 

第Ⅱ部　がんの兵糧攻め

第7章　がんへの栄養を止める

第8章　腫瘍―宿主インターフェイス（腫瘍生育周辺域）の重要性

第9章　治癒をめざして