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自然観の変遷と人間の運命
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『自然観の変遷と人間の運命』
座小田豊 編

定価(本体2,800円+税) A5判 304頁 
ISBN978-4-86163-261-7 C3010

(2015年12月刊行)

《目 次》

  まえがき 座小田豊
  第1部 思想史の観点から  
アリストテレスの無抑制論をめぐる素描的考察  
  ―ピュシスとノモスの視点から― 篠澤和久
明証性と価値判断  
  ―デカルトの倫理学をめぐって― 村山達也
「ふるさと」としての「自然」の根源性について  
  ―ヘーゲルの「イェーナ自然哲学」構想を手掛かりに― 座小田豊
人間にとっての地球の意味  
  ―フッサールとブルーメンベルクによる考察― 小熊正久
     
  第2部 運命論の観点から  
運命論的語りの構造に関する試論 佐藤 透
無意味な自然における意味の誕生  
  ―(脱)人間中心主義をめぐって― 後藤嘉也
天罰論をめぐって 荻原 理
     
  第3部 科学技術と自然観  
トランス・サイエンス概念と科学技術意思決定への市民参加 原  塑
自然観の多様性と変化  
  ―国際比較調査を通して― 小山田晋
    長谷部正
    木谷 忍
    リチャード・ムーア
    范 為仁
    朴 壽永
10 東北地方のイメージの変化  
  ―中学社会科教科書を資料にして― 日野正輝
11 自然という「他者」と技術的行為 直江清隆
  あとがき 座小田豊

自然は人間のいのちを育み涵養するものであるはずながら、時として人々を悲嘆の淵に追いやる災害を引き起こす。それを含めて人間は自然を「運命」として受け止めつつも、それを克服する術を求めて科学と技術を発展させてきた。ところが、いまやこの科学と技術という人間的営為が、制御不可能・処置不可能な様相を呈し始め、これもまた「運命」として私たちの生活に大きく深刻な影響を及ぼしている。科学技術が人間の対応能力をはるかに超える核廃棄物を生み出したことそれ自体が、人類の「運命」の鍵を握るに至ったのだと言えるであろう。(「まえがき」より)

哲学・倫理学を中心に、自然と人間とのかかわりの根本を問う11本の論考集。