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カントからヘルダーリンヘ-ドイツ近代思想の輝きと翳り
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『カントからヘルダーリンヘ-ドイツ近代思想の輝きと翳り』
瀬戸一夫 著

定価(本体4,000円+税) A5判  376頁
ISBN978-4-86163-231-0 C3010
<成蹊大学アジア太平洋研究センター叢書>
(2013年12月刊行)

第1章 コペルニクス革命と初期ロマン主義 カント・フィヒテ・ヘルダーリン
第一節 哲学のコペルニクス革命
第二節 知識学の体系的理論装置
第三節 思想革命のロマン主義化
第2章 カント70年代初期の沈黙と思索
第一節 時間と空間の主観性と相対性
第二節 避けては通れない難問の克服
第三節 純粋悟性概念と諸対象の一致
3章 第三原則の再検討と作用性の演繹
第一節 結果から原因に溯る知の働き
第二節 自らを客観視する自我の機能
第三節 第三法則の有効性と万有引力
補論Ⅰ 物自体と超越論的対象(X)
補論Ⅱ 相互主観性と根源的な自由
補論Ⅲ 実体性の機構と限定可能態
補論Ⅳ 衝撃と力学的な現象の比喩
補論Ⅴ 知識学の諸原理と自然法論

カントは哲学にコペルニクス革命をもたらした。従来の研究は、そのように評価しつつも、カントの哲学革命を整合的に解釈できていない。しかし、今日まで見 逃されてきたコペルニクスの奇抜な着想を正確に理解すると、難解さで有名なカントの「超越論的演繹」と「原則論」が、独自の理論的設定で見事に成功してい たという真相に気づかされる。しかも、その絶大なる成果は、フィヒテによって継承され、拡大・深化されたにもかかわらず、ロマン主義の先駆者とされるヘル ダーリンには継承されず、むしろ忘却されていった。本書はこうした思想史の実像を「ドイツ近代思想の輝きと翳り」として描き出している。