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竹を吹く人々―描かれた尺八奏者の歴史と系譜
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『竹を吹く人々―描かれた尺八奏者の歴史と系譜』
泉武夫 著

定価(本体2,000円+税) 人文社会科学ライブラリー第2巻
四六判  138頁
ISBN978-4-86163-227-3 C1371

(2013年3月刊行)

  〈目 次〉

古代編  
1章 敦煌壁画から正倉院へ
2章 物語・説話の中の尺八
中世編  
3章 中世尺八の登場
4章 風狂の尺八吹き
5章 中世尺八の本格派
6章 短笛尺八
7章 こも僧と暮露
8章 初期洛中洛外図の尺八吹き
9章 初期風俗画の尺八吹き
10章 建仁寺の尺八吹きの肖像画
11章 風流踊の尺八
12章 普化尺八の胎動
13章 いまが弥勒の世
近世編  
14章 普化尺八の始動
15章 聖俗二様の尺八
16章 三節切の尺八
17章 江戸前半の尺八吹きの絵姿
18章 虚無僧姿の遊興者たち
19章 普化社会の動向
20章 一節切と三節切のなりゆき
21章 伊達姿・歌舞伎の虚無僧
22章 伊達姿・見立て虚無僧
23章 求道尺八のさけび

   歴史や芸能に興味のある方は、尺八と聞けば虚無僧を連想する。こうした結びつきはいつできたのだろうか。ところが、過去の尺八吹きの生きざまや、当時の社会との関係などを知りたいと思っても、それを解説する一般向けの書物はなかなかない。虚無僧の母体となった江戸時代の普化宗が文書を捏造したため、史実がつかみにくくなっているせいでもある。本書では視点を変え、制作時期がわかる絵画作品に残された尺八吹きの姿をていねいに追ってみる。これに文献資料の読解を加えつつ、古代から近世に至る尺八吹きたちのバラエティー豊かな生態を、歴史文化史的にたどってみたものである。