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『贈答の近代—人類学からみた贈与交換と日本社会』
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『贈答の近代—人類学からみた贈与交換と日本社会』
山口 睦 著
定価(本体3,500円+税) A5判 304頁
ISBN978-4-86163-191-7 C3039
(第7回(2010年)東北大学出版会 若手研究者出版助成刊行書籍)
(2012年12月刊行)
《目 次》
はじめに | |
序論 | |
第1章 | 贈与交換についての研究史と研究課題 |
第1章 | 村落部における文字と贈与 |
第3章 | 葬儀における伝統的贈与 |
第4章 | 従軍にみる国民的贈与 |
第5章 | 慰問袋にみる国民的贈与 |
第6章 | 山村における農産物贈与にみる個人的贈与 |
第7章 | 女こどもの贈与 |
結論 | |
付録 | |
参考文献 | |
初出一覧 | |
あとがき |
人はなぜ贈り物をするのか。そして、なぜそれを記すのか。
本書は、近世後期から現代まで、日本社会における贈与行為がどのように変化したのかを、多様な資料から考察する。山形県のある農家に保存されていた200年に亘る贈答記録や従軍日記の分析を中心に、現代山村における農産物の贈与、バレンタインデーやクリスマスを事例として多様な贈与行為を分析する。近代日本社会における贈与行為は、家や共同体における「伝統的贈与」から、個人を中心とする「個人的贈与」へと比重を移した。また、その変化の重要なファクターとなる「国民的贈与」が生成、機能する過程を、戦時下における慰問袋を事例として示す。