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死すべきものの自由―ハイデガーの生命の思考
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『死すべきものの自由―ハイデガーの生命の思考』
信太光郎 著

定価(本体3,000円+税) A5判
ISBN978-4-86163-176-4 C3010
206頁
(第7回東北大学出版会 若手研究者出版助成(2010年)刊行図書)
(2011年12月刊行)

 「人間だけが死ぬことができる」。あまりにも有名なハイデガーの命題だが、その問題意識については、これまで曖昧な解釈にゆだねられてきた。人間を本質規定する「死すべきもの」というあり方に、形而上学が長く覆い隠してきた「生命の論理」を探り出すことが、ハイデガーの真の狙いであった。存在、力、時間という各論点をめぐって、形而上学との対決のなかで明らかにされるその論理(ロゴス)は、最終的に人間の「言葉」の可能性を説明するだろう。人間と動物、人間と神という差異へのまなざしのうちに、「言葉をもって生きるもの(ゾーオン・ロゴン・エコン)」の「自由」を、〈生命性〉の次元に捉えようとするハイデガーの「生命の思考」の展開が、テクストの詳細な読解を通じて明らかにされる。

《目 次》

プロローグ 生命と技術―問題の所在
序章 ハイデガーの生命の思考とは
第1章 存在の両義性
第2章 力の反転性
第3章 時間の多元性
結び

自由の場所論―言葉による思考とは

あとがき