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川端康成の方法―二〇世紀モダニズムと「日本」言説の構成―
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『川端康成の方法―二〇世紀モダニズムと「日本」言説の構成―』
仁平政人 著

定価(本体3,000円+税) A5判
ISBN978-4-86163-172-6 C3095
262頁
(第7回東北大学出版会 若手研究者出版助成(2010年)刊行図書)

(2011年9月刊行)

《目 次》
はじめに―川端康成とモダニズム―
第一部 川端康成の初発期―「新感覚主義」の生成と射程―
序 ―問題の所在―
第一章 初発期川端康成の批評―「表現」理念の形成―
第二章 「招塊祭一景」論―疲労した身体、夢見る言葉―
第三章 「青い海黒い海」―言葉の<速度>と<遅れ>―
第四章 「春景色」論―「写実」とその解体―

第二部 昭和初年代の川端康成―方法の諸展開―
序 ―問題の所在―
第一章 川端康成における「新心理主義」―方法としての<心理>―
第二章 「抒情歌」論―「夢」の破れ目―
第三章 「散りぬるを」論―「合作」としての「小説」―

第三部 川端康成の戦後―「新感覚主義」のゆくえ―
序 ―問題の所在―
第一章 「反橋」連作論―川端康成の戦後―
第二章 『山の音』論作説―「老い」のモダニズム―
第三章 「無言」論―無言のまはりを廻る―
第四章 戦後の川端テクストにおける<記憶‐忘却>の方法―「弓浦市」を中心に―
おわりに

川端康成に対する高い評価は、戦後において〈日本的・伝統的な作家〉という枠組みとともに成立してきた。このことは、川端をめぐる言説が、今日なおしばしば文化本質主義的な傾向を持ってしまうこととも対応しているだろう。このような状況のもとで等閑視されてきたのは、何よりも川端の文学活動が一貫して二〇世紀モダニズムと深い関わりを有していたということではなかったか。本書は、既成の文学史的評価から離れ、小説と批評双方の詳細な読解を通して川端文学の方法的な性格を解明するとともに、その「日本」「伝統」言説の論理を新たな視点から分析するものである。

《著者略歴》
1978年、茨城県生まれ。2009年、東北大学大学院文学研究科博士課程後期三年修了。博士(文学)。現在、東北大学大学院文学研究科専門研究員。

(第7回東北大学出版会 若手研究者出版助成(2010年)刊行図書)