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『戦国時代の百姓思想』
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『戦国時代の百姓思想』
永井隆之 著
定価(本体3,000円+税) A5判、270頁
ISBN978-4-86163-055-2 C3021
第3回東北大学出版会 若手研究者出版助成 刊行図書
(2007年8月刊行)
《目 次》
序 章
第一章 戦国時代の百姓思想
第二章 戦国時代の村落における組織上の問題
第三章 戦国時代の村落から生まれた侍身分
第四章 戦国時代の立身
第五章 戦国期大和国東山内北部の政治構造―狭川・簀川氏の動向を中心に―
第六章 王孫から日本国民へ
終 章
本書は、戦国時代の百姓思想に見られる、民衆(一般の人々)の希求した社会像に注目し、日本史上における戦国時代の意義を再評価する試みである。研究史では、戦国時代の民衆が百姓身分を称して希求した社会とは、彼らが村の自治を通して政府の行政を分担することで自身の富と地位を守ることのできる社会と位置づけられてきた。だが、本書が明らかにしたかかる社会とは、民衆が村の自治から解放され、政府の行政に依存した諸集団に属して、部分利益を確保し、自由な社会生活を送ることができる社会であった。いわば、戦国時代の民衆は理想として近現代的な社会を求めていたのである。