書籍情報
『父 阿部次郎』
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『父 阿部次郎』
大平千枝子 著
定価(本体2,200円+税) 四六判、370頁
ISBN978-4-925085-16-8 C1395
(1999年1月第1刷発行) (2004年7月第3刷発行)
東北大学出版会叢書3
《目 次》
I 父 阿部次郎 愛と死
残照の父
鐘鳴れよ
父の日なたで
いのちなりけり
父の涙
母の奮闘
最後の父
夢なれや
II 父をめぐる人々
書簡整理
漱石と父とわたし
斎藤茂吉と阿部次郎
海藻の風呂
父阿部次郎と東北帝国大学
人は遠き
角川さんと阿部次郎
宮澤賢治と阿部次郎
祖母竹澤里と母恒
戦前・戦後の青年たちの必読書『三太郎の日記』などで著名な阿部次郎先生は、東北帝国大学を代表する教授のお一人で、思想史や哲学・美学、日本文化史の研究に大きな足跡を残されました。先生の三女大平千枝子さん(文学部美学科卒、仙台市在住)はエッセイストとして活躍されています。1961年の日本エッセイストクラブ賞に輝いた幻の名著『父 阿部次郎』が、東北大学出版会叢書の3点目として、このたび増補復刊されました。
娘の視点から、父の「語り部」として、主に家庭人としての、とくに敗戦直後の時代を背景に最晩年の阿部先生を描いたものです。家庭内でも理想主義を貫徹しようとする精神的にも肉体的にも強い父の姿。その父の老いとのあらがい。日々勝る死の影。衰微していく肉体と精神。阿部先生とそのご家族が、老いと死をどのように受け入れていったのか。愛惜のまなざしと透徹した観察力と筆力によって紡ぎ出します。