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民族の幻影ー中国民族観光の行方
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『民族の幻影ー中国民族観光の行方』
高山陽子 著

定価(本体3,500円+税) A5判、306頁
ISBN 978-4-86163-045-3 C3036

(2007年6月刊行)

第3回東北大学出版会若手研究者出版助成刊行図書 

《目 次》
序 章
第I部 歴史文化と愛国主義の相克
  第1章 愛国主義と民族―「中国民族史」の分析を通して
  第2章 エスニック・イメージの連続性―ミャオ族の事例から
  第3章 歴史の語り―トゥチャ族の事例から

第II部 歴史文化の再評価と愛国主義の再構築
  第4章 イデオロギーの転換
  第5章 具体化される中華民族―エスニック・テーマパークの事例から
  第6章 経済発展の重要性―重慶市の事例から

第III部 経済発展と歴史文化への回帰
  第7章 山水の消費―張家界の事例から
  第8章 歴史文化からノスタルジーへ―鳳凰古城の事例から
  第9章 「民族風情」の表象―民族村の事例から
  終 章


なぜ人は「ほんもの」を求めるのかー。
観光地が「ほんもの」と見なされるには、様々な条件が必要である。現代中国においてその基軸となるのは、「歴史文化」と「愛国主義」である。この基軸は固定されているのではなく、「経済発展」「民族風情」などの新しい基軸を取り入れつつ、時代背景によって変化してきた。本書は、この価値観の変遷と、観光地が「ほんもの」になるプロセスを検証する。広大な中国の歴史と民族を、豊富な写真を用いながら読み解く意欲作。