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書籍情報


化学者たちのセレンディピティー-ノーベル賞への道のり-
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『化学者たちのセレンディピティー-ノーベル賞への道のり-』
吉原賢二 著

定価(本体1,500円+税) A5判、170頁
ISBN978-4-86163-028-6 C3043

(2006年6月第1刷発行) (2008年9月第2刷発行)

20世紀をいろどる日本の化学者たちの努力を1編の物語りとしてまとめた本はいままでなかったが、本書はそのはじめてのものである。近頃話題になるセレンディピティー(幸福な偶然)とはなにか。化学者たちの生涯と業績の中にそれを探る。読者は忘れかかった過去の光景の中に知的な興奮を見いだすことであろう。しあわせだった大正リベラリズムの中の科学の発展、その後軍国主義に傾き、戦争に突入してすべてを失った中で立ち直る化学者群像、そしてノーベル賞に輝く福井を生み出す過程、これらはまさに1編の叙事詩のようなものである。

《目 次》
はしがき 第2刷を世に送るにあたって
序章  近代科学の導入とセレンディピティー

第1部  無機分析化学と物理化学
  1章  新元素ニッポニウムと小川正孝
  2章  低温科学を創めた青山新一
  3章  未知の核分裂に向き合った木村健二郎
  4章  天然原子炉の予言者 黒田和夫
  5章  ゴーシュ回転異性体の発見一水島三一郎の先見性
  6章  フロンティア電子と化学反応一福井謙一のノーベル賞への道

第2部 有機化学と生化学関連・高分子化学 
  7章 日本の象徴うるしから有機化学の基礎作り一眞島利行の奮闘
  8章 紅花の女性化学者 黒田チカ
  9章 七員環で世界に先駆けた野副鐵男
  10章 ビタミンの発見者 鈴木梅太郎
  11章 苦学生から一流の科学者へ 赤堀四郎の人生行路
  12章 ビニロン,日本で開発された繊維と桜田一郎

終章 終わりからの展望
付録 化学関係の学士院賞
    『現代科学』掲載一覧
索引