書籍情報
『ジェンダーと教育―理念・歴史の検討から政策の実現に向けて』
生田久美子 編
定価(本体2,200円+税) A5判、366頁
ISBN978-4-86163-019-4 C3330
(2005年12月刊行)
東北大学21世紀COEプログラム ジェンダー法・政策研究叢書 第4巻(辻村みよ子監修)
《目 次》
第一部 「教育」の再構築における「ジェンダー」
第1章 「知」の一様式としての「ケア」―ジェンダーの視座に立つ教育哲学からの提言
第2章 教育による変身(Educational Metamorphoses)
第3章 ジェンダー・センシティブな教育とは何か―教育思想史からの示唆
第4章 J.S.ミル『女性の解放』における人間本性論
第二部 歴史・文化の中の「ジェンダー」
第5章 男女共学の歴史的経緯と今日的課題
第6章 教育における「個性」の枠組みとジェンダー―大正自由教育期の小原国芳「全人教育論」に着目して
第7章 教育史における「銃後の担い手」形成の一局面―総力戦体制下の「婦人常会」
第8章 在日コリアンの家庭教育とジェンダー―二世・三世のお見合いを事例に
第三部 ジェンダー・センシティブな教育実践と政策の実現に向けて
第9章 ジェンダー法学教育の意義と課題
第10章 アメリカ合衆国における女性大学教員のキャリア形成に関する研究序論
第11章 「国家フェミニズム」と大学―カナダにおける「女性の地位」という政策概念
第12章 台湾における教師像―父性的職業から母性的職業への転換
第13章 アメリカ中等教育におけるジェンダー観の展開―ナショナル・スタンダードおよび州スタンダードから
第14章 異文化社会におけるジェンダー教育の現状―ユニバーシティ・エレメンタリースクールのケース
第15章 ジェンダーと成人教育―男女共同参画施策をめぐるNPO市民活動の学び
本書は,男女共同参画社会を担う「ジェンダー・センシティブな人材の育成」にむけて,基礎理論の提示と政策分析を行なうものである。第一部,第二部では,「知識」論,「ケア(リング)」論,「ジェンダー・センシティブ」等の鍵概念,戦時下やマイノリティー民族のジェンダー観,日本の男女共学など理念・歴史の検討が行なわれている。第三部では,日本の法科大学院教育,諸外国の政策と実践,日本の男女共同参画政策と仙台市におけるNPO活動の事例など,政策と教育現場・市民活動の現代的動向が分析されている。