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『今を生きる—東日本大震災から明日へ!復興と再生への提言— 4 医療と福祉』
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『今を生きる—東日本大震災から明日へ!復興と再生への提言— 4 医療と福祉』
久道 茂・鴨池 治 編
定価(本体2,000円+税) A5判
ISBN978-4-86163-206-8 C1300
410頁
(2013年2月刊行)
《目 次》 | ||||
まえがき | ―災害と命 | 久道 茂 | ||
第Ⅰ部 医療編 | ||||
第一章 |
東日本大震災時における東北大学病院の対応と今後の医療体制復興への提言 ――東北大学病院は医療の最後の砦―― |
里見 進 | ||
第二章 | 東日本大震災からの創造的復興と東北メディカル・メガバンクプロジェクト | 山本 雅之 | ||
第三章 | 東日本大震災、石巻赤十字病院はかく活動した | 飯沼 一宇 | ||
第四章 | 災害救護に求められること ~石巻圏合同救護チームからの提言~ | 石井 正 | ||
第五章 | 潰滅した病院、市民の病院をどう立て直すか | 伊勢 秀雄 | ||
第六章 |
「被災者」から「震災経験者」になる日 ~公立志津川病院での東日本大震災の体験を通して~ |
菅野 武 | ||
第七章 | 災害時の精神科医――対応と今後の医療に向けて―― | 松岡 洋夫 | ||
第八章 | 震災発生直後の状況と宮城県医師会の対応、その後の各地の状況、医療復興に向けて |
伊東 潤造 櫻井 芳明 |
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第九章 | 東日本大震災発生時における宮城県看護協会の対応、その時の看護者の状況と今後の課題 |
上田 笑子 佐藤 幸子 |
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第一〇章 |
歯科医師は震災で何をしたのか? 何を教訓としたのか? ――災害時、歯科医師の役割と苦悩―― |
細谷 仁憲 | ||
第一一章 |
東日本大震災犠牲者の歯科的身元確認の記録 ――ご遺体と向き合った歯科医師として―― |
鈴木 敏彦 | ||
第一二章 | 災害時における薬剤師の役割 | 生出 泉太郎 | ||
第一三章 | 東日本大震災における宮城県災害保健医療支援室の活動 | 上原 鳴夫 | ||
第一四章 | 地域医療復興への道標――医療行政の立場から―― | 佐々木 淳 | ||
第Ⅱ部 福祉編 | ||||
第一五章 |
東日本大震災下におけるセーフティ・ネットとしての所得維持政策 ――その連携と包括化―― |
阿部 裕二 | ||
第一六章 | 東日本大震災と寄付金支援――災害寄付の展開と課題―― | 江尻 行男 | ||
第一七章 | 東日本大震災・福島原発事故からの再生 | 丹波 史紀 | ||
第一八章 | 東日本大震災から学んだ、介護施設における対応の実際と今後への提言 | 設樂 順一 | ||
第一九章 |
食と栄養からみた東日本大震災の問題点 ――避難所・仮設住宅への食生活支援を中心に―― |
乙木 隆子 | ||
あとがき | ――私たちが負う責務 | 鴨池 治 | ||
編者・執筆者紹介 |
東日本大震災は、甚大な被害を広範囲にもたらした大規模災害で、現在までに約二万人も及ぶ死者・行方不明者を数える。本叢書の四巻目となる「4 医療と福祉」では、災害により危機にさらされた「命」と「生」をテーマに、医療福祉関係者からの言説を集めた。
津波被害を受けながらも災害救急医療の最前線として機能した宮城県石巻市の病院関係者や、発災直後から緊急体制を敷き、被災地の医療機関の支援・バックアップに努めた東北大学病院、地元宮城県の医師会・歯科医師会・薬剤師会・看護協会の対応は、有事の医療体制の教訓となる。また、遺体確認に奔走した歯科医師や、勤務先の病院で自身も被災した医師の証言からは、被災の厳しい現実が浮かび上がる。福祉の面からは、被害を受けた福祉施設の復旧活動や、ボランティア活動、炊き出し支援の現場からの報告、さらに原発事故による避難者の現状等についても、当事者たちからの声を集めた。