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『今を生きる—東日本大震災から明日へ!復興と再生への提言— 2 教育と文化』
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『今を生きる—東日本大震災から明日へ!復興と再生への提言— 2 教育と文化』
水原克敏・関内隆 編
定価(本体2,000円+税) A5判
ISBN978-4-86163-196-2 C1300
316頁
(2012年9月刊行)
《目 次》 | ||||
まえがき | ―大震災からの問い | 関内 隆 | ||
第Ⅰ部 | 教育現場からの報告 | |||
第一章 |
女川高校、「いま、ここで学び続ける」―震災対応と学校再開への取り組み― |
小泉 博 | ||
第二章 | 石巻西高、避難所の四十四日 | 奥山 恒義 | ||
第三章 | 浪江高校、サテライト方式による運営 | 鈴木 吉重 | ||
第四章 | 雄勝中学校、再生から新生へ 震災後一〇か月の記録 | 佐藤 淳一 | ||
第五章 | 富岡第一中学校、大震災と原発災害下での安否確認と学校再開の取り組み | 相良 昌彦 | ||
第Ⅱ部 |
行政、経営的観点からの報告 | |||
第六章 | 大震災における宮城県の教職員の対応 校長と教職員はどう動いたか―日本教育経営学会調査から― | 牛渡 淳 | ||
第七章 | 宮城県教育委員会の大震災対応、教育の復興をめざして | 髙橋 仁 | ||
第八章 | 諸外国の事例から考える「新しい未来を創る」教育 | 田熊 美保 | ||
第九章 | 文部科学省、東北の創造的復興教育へ | 南郷 市兵 | ||
第一〇章 | 日本カリキュラム学会、復興教育への連携事業 | 工藤 文三 | ||
村川 雅弘 | ||||
大野 栄三 | ||||
金馬 国晴 | ||||
第Ⅲ部 | 文化的視点から問う | |||
第一一章 | 関係・時間・文化の中での支援 | 本郷 一夫 | ||
第一二章 | 大震災と原発事故から見える科学技術と数理的リテラシーの課題 | 森田 康夫 | ||
第一三章 | 心不可得~予告された殺人の記録を超えて | 芳賀 満 | ||
第一四章 | 「ふるさとの歴史」を守る―大震災下の歴史資料保全活動― | 佐藤 大介 | ||
あとがき | 大震災報告から学べたこと | 水原 克敏 | ||
今回の東日本大震災で驚かされたのは、学校が襲われ壊滅的な被害を受けたことである。学校は、本来は安全な場所で、その多くは住民の避難場所として指定されてきた。今までは、その役割を十分に果たしてきたので、私たちはすっかり信頼していた。しかし、今回の大震災では、その信頼が裏目に出るなど、信じられないほどに深刻な被害を受けることになった。本書では、そうした学校を中心に、教育と文化をめぐる厳しい現実を記録するとともに、そこから得られる教訓を糧に将来への展望を得るために編集した。それぞれの学校がどのような状況に追い込まれながら、住民の避難場所としてどれほど奮闘したのか、残された課題も含めて見ていただきたい。
他方、学校と地域を支えた文部科学省と教育委員会の行政的対応、学会による調査と改善策の提案、さらには文化財の被災と保存の在り方、そして根本的な文化と人間の在り方の考察についても収録し、深く「教育と文化」について問題提起をするように編集した。