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津波の恐怖ー三陸津波伝承録ー
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『津波の恐怖ー三陸津波伝承録ー』
山下文男 著

定価(本体2,000円+税) 四六判、250頁
ISBN978-4-86163-003-3 C0025
(2005年3月第1刷発行) (2011年5月第3刷発行)

東北大学出版会叢書9

《目 次》
・悲劇的津波海岸
・「津波地震」による不意打ち津波
・流死者の半数は海の藻屑に
・死者の性別は女の方が多かった
・溺死の最多は子供と老年世代
・生死を分ける分秒の闘い
・「津波てんでんこ」
・田老町の大防潮堤略史
・これより上に家を建てるな?
・捏造だった「津波石」の写真
・今村明恒博士の「防災地震学」
・列島「大地動乱の時代」を迎えて
・スマトラ島沖津波の報に思う


三陸津波史が語る津波災害の呪わしい特徴は、一度にたくさんの命が失われる大量死の恐怖であり「引き波の」猛威による、多くの遺体の海の藻屑化という無残であった。数えきれないほどの途方もない命を奪ったインドネシア・スマトラ沖大津波は、不幸、不本意にも最悪のかたちでこの特徴を証明し、裏付ける史上最大の津波になった。「津波は、いわば海の底からヘドロを巻き上げながら海ごと走って来て、家も人も薙ぎ倒し、押し潰し、さらって行く、もの凄い破壊力を秘めた狂濤なのである」(本文より)