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書籍情報


ミルクの文化誌
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『ミルクの文化誌』
足立達 著

定価(本体3,000円+税) A5判、294頁
ISBN978-4-925085-10-6 C0040
(1998年6月第1刷発行) (2001年7月第2刷発行)

《目 次》
まえがき
第1章 乳用家畜利用への道のり
  第1節 野生獣の家畜化までの道のりは遠く
  第2節 家畜化の始まり
  第3節 中央アジア遊牧世界における酪農の伝播
  第4節 ヨーロッパ世界への酪農の伝播
  第5節 乳用家畜をもたなかった人々
第2章 乳用家畜の系譜をたどる
  第1節 ウシから乳牛へ
  第2節 その他の乳用家畜の系譜
第3章 反芻動物による草からミルクへの変容
  第1節 家畜の糧、野草から飼料作物へ
  第2節 草からミルクへの素材転換マシン、反芻胃
  第3節 搾乳、手搾りから機械搾乳へ
第4章 ヒトの体質を変えた乳食文化の展開
  第1節 牛乳嫌いを起こさせる主因はラクトース
  第2節 ラクトース不耐者が牛乳を飲めるには
  第3節 異端の哺乳動物、空腸β-ガラクトシダーゼ持続人の出現
  第4節 β-ガラクトシダーゼ持続民族に忍び寄る暗い影
  第5節 ラクトース不耐者の飲乳量増加への道
  第6節 食文化遺伝学への道を拓くβ-ガラクトシダーゼ持続の研究
第5章 ミルク加熱殺菌への道のり
  第1節 長く続いた西の生乳、東の加熱乳飲用
  第2節 西欧で進行した加熱飲用乳実現への歩み
  第3節 パスチャリゼーション・システムの変革
あとがき


 他種の哺乳動物のミルクを、自らの食糧に利用するというヒト独自の食文化は、西アジアの一角に成立した。その成立過程とアフロユーラシア大陸への伝播。その過程において大陸の西方で進行した乳食をめぐる生存闘争と、その帰結としての獲得形質者の勝利。そして飲乳用ミルクの処理技術の史的発展を、東、中、西洋の比較という視点から、本書は初めて執筆された。