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奈良仏教と古代社会—鑑真門流を中心に
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『奈良仏教と古代社会—鑑真門流を中心に』
冨樫 進 著

定価(本体3,600円+税) A5判
ISBN978-4-86163-174-0 C3021
326頁

(第7回東北大学出版会 若手研究者出版助成(2010年)刊行図書)
(2012年6月刊行)

   本書では鑑真門弟・法進とその庇護者、藤原仲麻呂という2名の人物を中心に、鑑真一門のもたらした護国仏教思想が日本社会に与えた影響を多面的に考察する。法進の著した戒律註釈書を唐仏教「移植」の成果としてとらえ直すとき、そこには稀代の文人政治家・仲麻呂が自らの生き残りを賭して構築した君臣観との接点が浮かび上がる。護国・朝廷の安寧を奈良仏教の本質と考える「国家仏教論」評価に一石を投じると共に、鑑真一門の構築した南都戒壇に大乗菩薩戒という挑戦状を突きつけた平安仏教の旗手・最澄と法進との間に結ばれた確かな紐帯の存在を見きわめる、新たな視点からの古代思想史像構築の試み。

《目 次》

序章 八世紀後半における鑑真門下の戒律観考察の意義について
     ―国家仏教論、及びその批判に関する研究史をふまえて―
   
第一部 鑑真門流の戒律観をめぐる諸問題
 第一章 鑑真門流における戒律観
     ―『沙弥十戒并威儀経疏』をめぐって―
 第二章 鑑真門流における天台止観受容
     ―『沙弥十戒并威儀経疏』をめぐって―
 第三章 鑑真門流における天台止観受容の背景
     ―聖武・孝謙治世下における華厳信仰・聖徳太子信仰をめぐって―
   
第二部 鑑真門流の周辺をめぐる諸問題
 第一章 『日本霊異記』における「天台智者の問術」と「天台智者甚深の解」
 第二章 藤原仲麻呂における維摩会
     ―『続日本紀』天平宝字元年の奏上をめぐって―
 第三章 諫臣の系譜   ―『藤氏家伝』における君臣関係の理想像―
   
結章 法進における戒律の達成とその後   ―鑑真一門の跡を嗣ぐ者たち―