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種痘法に見る医の倫理
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『種痘法に見る医の倫理』
小田泰子 著

定価(本体2,500円+税) A5判、218頁
ISBN978-4-925085-24-3 C3047
(1999年11月第1刷発行) (2001年3月第2刷発行)

《目 次》
序  章 天然痘はいま
第一章 天然痘と18世紀の医学
第二章 イギリスにおける人痘法
第三章 新大陸ボストンにおける人痘法
第四章 医師による人痘法反対論
第五章 人痘法と医療統計の誕生
第六章 フランスにおける人痘法
第七章 中国における人痘法
第八章 日本における人痘法
終  章 医の倫理はいま

18世紀、ジェンナーによっての牛痘法が発見される以前に、天然痘の膿をそのまま人間に植える天然痘の予防方法─人痘法─ が発見されていた。人痘法は医学的に有効か、膿を植えて人為的に病気を与えることは創造主の意図に反するのではないかなどと、イギリス・アメリカ・フランスでは約1世紀にわたって、医師・牧師・一般人を巻き込んだ激しい論争が繰り返された。本書で再現されたこれらの論争は、現在の新しい医療、臓器移植・出生前遺伝子診断・クローン技術の人への応用等をめぐってなされている論争と多くの類似点を見いだすことができる。